ちょっと面白いデバイスを手に入れたので、ベンチマークを含めて考察してみます。導入したのはバッファロー社のシリコンドライブSHD-UH8Gで、容量8GB、導入価格は1980円でした。SSDが一般化する前にバッファロー社が販売していた、それまでのUSBフラッシュメモリよりも高速とされたデバイスです。内部的にはSLC+MLCという特殊な構造をとっていますので、おそらくは外部から入ってきたデータはSLCでバッファリングされて、その上でMLCに移されるという手法がとられていると思われます。いわば、SLCをバッファ代わりにも使ってみようという感じなのではないかと。商品のサイズ的には一般のフラッシュメモリよりもかなり大型ですが、ハードディスクに比べると小型軽量です。接続用のUSBケーブルは本体から直接出ており、外周をまわして本体に密着/固定する様になっています。持ち運ぶ際には、意外と便利な商品です。実際にマウントしてみると、アイコンは英ムーバぶるメディアのそれではなく、ハードディスクのアイコンになっているので、このデバイスがハードディスクとして認識されていることもわかります。もちろん、MacOSX上ではディスクユーティリティで初期化等が行えます。
さて、ベンチマークをとってみます。比較対象とするのはPowerBookに内蔵したハードディスクと、2チップ同時アクセスを行っているGreenHouse社の PicoDrive/8GBモデルです。使用したのは1.5GHzのPowerBookG4+Leopard環境で、XBench1.3を使用しています。
1枚目のグラフがシーケンシャルアクセスの結果です。こちらの結果を見れば、ハードディスクが頭一つか二つくらいは上の数値をたたき出していることがわかります。フラッシュメモリ2機種は同じ傾向を示していますが、設計年代が新しいPicoDriveの方が若干よい結果が出ています。4KBlockのリードが極端に遅いのは、フラッシュメモリ全般の傾向です。
2枚目のグラフはランダムアクセスの結果で、ここで注目すべきはReadの結果です。PicoDriveが全般的に早めですが、フラッシュメモリ2機種がハードディスクを抜いています。ヘッドを動かす必要がないフラッシュメモリのため、ランダムアクセスが高速なのは当然といえば当然です。ライトに関してはハードディスクの方が上ですが、ここではPicoDriveをSHD-UH8Gが上回っています。おそらくは、これがSLCを採用した効果だと思われます。
総合的に考えると、このくらいの価格にまで下がったために、価格競争力が若干出てきたというところでしょう。安売りショップでのPicoDrive/8GBの価格とほとんど変わりませんから、どちらを選ぶかというところになると思います。起動用として使用できれば、非常用としてシステムのインストール等を行うこともできると思います。今回は、MacBookによるテストを行っていないので、起動までの確認には至っていませんが。