さて、今回導入したのはトランセンド社のTS32GSSD25-Mという型番の、IDE接続のSSD。購入金額は10800円で、もちろん新品。同じ型番ではあるが、リリース当初に低速で使いものにならないと評価された製品とは別次元の製品に変わっており、現在は公称値で読み出し最大68MB/Sec、書き込み最大で46MB/Secとグレードアップされている。SATA接続のSSDの世界では150MB/Sec超の製品が出ているので、これでもスペック上はかなり見劣りがするのだが、IDE接続の製品は選択肢が少ないのでやむを得ない。もちろん、インターフェースの規格に則ってはいるが、どの機種でも動作保証はない。導入した機種はPowerBookの12"モデルで、クロック周波数1GHzの機体である。製品を手にしたときの第一印象は「重い」だった。推測だが、SSDとはいえ高速に動作させているため、それなりの発熱があるのだろう。それを効率よく空冷するために金属筐体が採用されているので、見かけよりも重い感じになったのだと思う。
装着後、ディスクユーティリティで普通に初期化し、システムのインストールを行うことができた。この際、気になったのはインストールDVD-ROMを読みにいくドライブの音で、ほかはほとんど気にならないくらい。時間的にも、システムを読んでいる時間の方が圧倒的に多い。なお、ディスク容量が32GBしかない(フォーマット後は30GBを切る)ため、大事を取ってTiger(10.4)をインストールした。アップデートが終了し、必要な常駐ソフトが起動するようになった状態の仮想メモリは約4GBほど。この辺りは、ハードディスクの交換とまったく同じ感覚だ。
さて、お待ちかねのベンチマークだが、XBench1.3で検証した結果である。単純に言えば、読み出し時最大65.81MB/Sec、書き込み時最大43.21MB/Secと言う数字をたたき出した。これは、公称値と比べても、それほどかわらない性能と言える。比較対象としたのは日立GS社のHTS541616J9AT00で、160GB/5400rpmの製品である。グラフのHDDの項目は、これを搭載した1.5GHzのPowerBookG4上でのベンチマーク結果である。言ってしまえば、PowerBookG4/12"モデルと日立GS社のIDEドライブの最終生産型であり、そこそこの性能を持っているはずであるが、さすがに改良型のSSDを前にすると分が悪いようだ。ほとんどすべての項目で、SSDの後塵を拝する結果となった。容量とコストの点を除いて、転送能力だけで見れば2.5"径のHDDは既にSSDに負けている事になる。
正直なところ、MLC採用のため、書き込み速度や耐久性について不安だったのだが、とりあえずは正常に動作することまでは確認できたし、速度に関しては満足している。耐久性については、これからと言うことになる。